クロユリ

クロユリ

撮影日:2015/05/26

  • ユリ科
  • 学名 Fritillaria camtschatcensis

姿・形
高さ15~30㎝の多年草。地下に径1~3cmの扁球形の鱗茎がある。真っすぐに伸びた茎に、葉が3~5枚ずつ3段以上輪生してつく。花は暗黒紫色のつりがね形で下向きに咲く。花弁には黄色の斑点があり、匂いに悪臭がある。両性花と、雄花がつく株、雌花だけの株とがある。また、八重咲きに咲く、八重咲きクロユリ(ヤエザキクロユリ)もある。

※本州や北海道の高山(高山型)などの寒地に分布するものを「ミヤマクロユリ」、北海道の平地(低地型)に分布するものを単に「クロユリ」または「エゾクロユリ」と称している。

球根の大きさと形状

クロユリの球根

種子の大きさと形状

開花と花の色
5月~6月 暗黒紫色

分 布
北海道(高山、東部の海岸)、本州(北~中部の高山)

保護上の位置づけ
・環境省レッドリスト 登録なし 環境省のカテゴリーの概要
・北海道レッドリスト 希少種 (R) 北海道のカテゴリーの概要

クロユリの育て方

植え方
使用鉢は深鉢か中深鉢にする。用土は、2~5mmほどの火山礫(えぞ砂など)7~8・硬質赤玉土2~3・腐葉土1程度。鱗球は、3~4cmぐらいの深さにする。表面に5mm弱ほどの礫でフタ並べにする。

植え替えは、2~3年ごとの、葉の枯れた9月中旬ごろに行う。鱗片が取れやすいので注意する。鱗片が取れると鱗茎が弱り、花が咲かなくなる。

管理方法
置き場所は、花期までは十分な日当たりにし、花後は半日陰または、50%遮光ネットの下で、風通しの良いところ。灌水は、1日1回普通に与える。施肥は春の置き肥のほか、葉の枯れた秋まで施すが、多肥にはしないこと。病害虫の心配も特にない。越冬は、雪の下で普通に過ごすことができる。

殖やし方
子球(分球)を基本とし、鱗片挿しは、植え替え時に取れてしまった鱗片を用いる。

その他
クロユリの変異個体として、キバナクロユリ(黄花クロユリ)が北海道釧路市内・釧路地方で自生している。また、石川県白山市の白山(はくさん)(標高2702m)(クロユリの日本における分布の西限)などでも、稀に見られる。

注 意

「花期」や「植え方・管理方法・殖やし方」などは、北海道の内陸平野部の気候を参考にしておりますので、ご注意ください。

このページの内容について

誤字・脱字・加筆・栽培のアドバイス・情報提供(研究資料・論文・現地の写真等)・その他がありましたら、お気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。

関連記事

ページ上部へ戻る